川尻 加勢川の石積船着場跡と川沿いの町並み

熊本県
熊本市
川尻3,4





交通

JR鹿児島本線川尻駅下車





川尻





2005.07.23
旧薩摩街道(旧国道)とJR鹿児島本線は熊本市街から真っ直ぐに南下し加勢川を渡る。現在の川尻の町は駅東の旧国道沿いの工場町であるが、旧市街はJRや旧国道に直交する川沿い北側の通りに形成されていた。川尻は古くから水陸交通の要衝地にあり、米・木材・酒などの積出港として栄えた。川岸には旧藩時代の船着場が残っており、阿蘇凝灰岩の切石で築いた石段がある。その近くには年貢米を格納する倉庫(東蔵、中蔵、外城蔵)が建てられていたが、現在そのひとつである外城蔵の一部も残っている。
川尻の町並みは河港をバックとした商家が建ち並ぶものであったが、現在は市街地からは離れており商店などは殆どない静かな住宅地である。その中にかつての商家の姿を今に伝える家々が数棟残っている。中でも旧薩摩街道との交差点に近い造酒屋やJR鹿児島本線の西側に残る桝形近辺の町並みに賑やかだったであろう往時の面影を偲ぶことが出来る。
旧藩時代の加勢川の船着場。川岸から荷物を上げ下げする石畳のスロープが残っている。
加勢川岸に残る阿蘇凝灰岩の切石で築いた石段。川の水位が変化しても荷物の上げ下ろしが出来るように造られたもの。
町の丁度中央あたりにあった船着場のすぐそばには旧藩時代の年貢米蔵の一部が残っていた。
町並みは川に沿って東西に長い。その最も西の端にあたる町並み。
西部エリアの町並み。
町並みには途中、桝形のように通りが折れた場所がある。車道は桝形を避けて斜めに整備されたため、旧道の線形は残され町並みの雰囲気も残っていた。
東部エリアの町並み。
東部エリアの町並み。
東部エリアの町並み。
町の東端の旧薩摩街道との交差点近くにある造酒屋。旧薩摩街道との交差点近くにはかつて民営電車の駅があって熊本との間を結んでいたという。
川尻4丁目付近の町並み
川尻4丁目付近の町並み
参考資料 リンク
熊本市

参考文献
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社
『歴史の町並み 中国・四国・九州・沖縄編』 保存修景計画研究会 NHKブックス