横須賀 ユニークな商店街ビルが見られる戦後の町並み

神奈川県
横須賀市
大滝町





交通
京浜急行横須賀中央駅下車






横須賀





2016.12.10


横須賀の市街地は、リアス式海岸のような海岸段丘の上下にまたがって立地している。それゆえ入り江の海底が深く港に適しており、1871年(明治4年)海軍工廠の前身、横須賀造船所が完成、1877年軍港に指定された。終戦後、日米安保条約により旧軍の施設の大部分を米軍が使用し、現在アメリカ第七艦隊の原子力潜水艦・原子力航空母艦の母港となっている。横須賀は、太平洋戦争時の空襲を受けているものの横浜のようなことはなく、軍施設の一部にとどまっている。
京浜急行横須賀中央駅周辺の繁華街は、軍港あるいは米軍基地とともに栄えてきた。そのエリアは戦災を受けておらず、戦前の建物も残っている。その中にある三笠通り商店街(三笠ビル)は、防火建築による共同ビルである。他の都市では、区画整理や大火あるいは戦災復興による必要性と絡んで防火建築による共同ビルが建設されている例があるが、三笠ビルはそうではない。横須賀市政50周年の記念事業として、中心市街地の商店街を再整備したもので、昭和34年に完成した。市政100年を過ぎた今日もあらゆるジャンルを網羅した70店舗が活きている。
戦災都市概況図:横須賀
大滝町の三笠ビル(三笠通り商店街)
地図で見ると小さい店舗が通りに沿って並んでいる商店街を想像するが、実は一つの建物である(実際には棟が分かれているか不明)。
現在外装は改修後のもの。

大滝町の三笠ビル(三笠通り商店街)
表通りに面してキャンチレバーで庇が出ている。(上)
中の通路は三笠通り(左下)

大滝町の三笠ビル(三笠通り商店街)
東側の棟中央の上階への階段(左上)
三笠通りの上の光庭(左下)
背後の山の上には寺社があり、三笠通りから参道を上っていく(上)
三笠ビルの向って右側に隣接する横丁系飲食店街
大滝名店ビル(店舗共同ビル)
1階は路面店形式、2階は中廊下式の飲食店街(大滝名店ビル飲食街)、3階は階段室型の住宅?

大滝1丁目の町並み(左上、左下)
若松1丁目に残っていた石壁の店蔵(上)
参考資料 リンク
横須賀市

参考文献
国立国会図書館デジタルアーカイブ 全国主要都市戦災概況図