横須賀
上町
軍港の丘上に形成された看板建築の商店街

神奈川県
横須賀市
上町1,2,3




交通

京浜急行横須賀中央駅下車徒歩






上町



柏木田




2008.04.19
横須賀は三浦半島の東京湾に面する港湾都市である。1871年(明治4年)海軍工者廠の前身、横須賀造船所が完成、1877年軍港に指定、1884年海軍鎮守府が設置されるほか、内陸部には陸軍施設が建設された。現在は、米海軍、自衛隊基地、防衛大学が置かれている。横須賀の町は軍とともに発展してきた。
横須賀は海岸地形で、昔の海岸線である崖地の上と下に市街地が形成されている。下の町は軍施設の門前町で現在の中心商業地区、上の町は住宅地区として発展した。京急横須賀中央駅の横を旧三崎街道が崖地の上下を結ぶように通っている。その平坂を上っていくと上町銀座商店街のアーケードがどこまでも続いている。上町は海軍士官たちが住んでいた街。明治期ころから旧三崎街道沿いに自然発生的に発足した商店会で、100年以上の歴史がある。町並みは歩道上にアーケードが取り付けられているため建物が目立たないが、意識して建物を眺めると関東大震災以降に流行した看板建築が多く残っていることがわかる。もしアーケードを取り払うことができれば、思いがけず昭和初期の町並みが出現することになるだろう。
商店街をアーケードが途切れるまで南に進みしばらくゆくと旧柏木田遊郭跡がある。三崎街道から一本入ったところに不自然に大通りがあり、福助ホテルだけが町の記憶を今に伝えている。

平坂のアーケード(上)

平坂にある妻面を石張りにした出桁造りの町家。(左上)

関東大震災の復興建築(不燃外装)として流行した銅板貼りの看板建築が残る町並み。(左)
 
並ぶ銅板看板建築
シンメトリなデザイン
木造三階建て(三階は屋根裏部屋扱い?)の銅板建築。二階が横須賀駅方向に振れているのが面白い。
懐かしい銭湯(左)

旧柏木田遊郭のあった上町三丁目。大通りと福助ホテルが町の記憶を今に伝えている。(下)

上町三丁目の町並み。(上、左上)

福助ホテルの看板(左)
参考資料 リンク
横須賀市

参考文献