小田原 二段出桁造り町家が見られる震災復興の旧城下町

神奈川県
小田原市
栄町1,2,
本町1,2,3,4
浜町
ほか




交通

JR東海道線、小田急線
小田原駅下車







本町


栄町



浜町3




2005.05.03
2007.04.21
2007.05.26
小田原は応永年間(1394〜1428)に駿河の大森氏の築城が起源で、その後北条早雲がかわり、北条氏五代の城下町として発展した。江戸時代は大久保氏の城下町、東海道の宿場として栄えた。駅と国道1号線の間は城の掘割を軸とした南北の町割、海岸近くは東街道を軸とした町割りになっている。海に近い旧東海道の宿場町、小田原城東側一帯、小田原駅周辺の商業中心のため、焦点の定まらないだだっ広い町という印象を受ける。
駅から旧東海道へと街を歩いていくと出梁造りの町家が目立つ。交差点に立って四方の通りを見渡すとどこかに古い町家は見えているものの、まとまって軒を連ねるような古い町並みは残っていない。その理由は、相模湾が震源地だった大正12年の関東大震災によって町並みのほとんどが被害を受けたことによる。現在の残っている伝統的な造りの町家もほとんどが震災後の建築である。
旧東海道は現在の国道1号線である。旧道が現在も国道幹線として利用できる道幅を持っていることも、戦災後に拡幅した道路だからであろう。旧東海道の一本海岸よりの通りには、小田原名産の蒲鉾屋が建ち並んでおり、脇に松を添えた2段出梁造り町家がちらほら残っている。
小田原にはまとまって残っている古い町並みはないが、随所に出桁造の町家が見受けられる。(栄町4)
銀座通りに面して残る昭和初期の2段出桁造りの町家 和紙・茶の江嶋
東海道は現在の国道1号線だが、一部旧街道が国道より外れている。昔の海岸線の小高い堤防上が旧道で、脇に松を添えた出桁造りの平入り町家がちらほら残っている。江戸の出桁は2階のみだが小田原では1、2階の両方の軒に見られる。(浜町3)
平屋でも出桁造りの干物屋早瀬幸八商店。桁がダブルで象徴的だ。(浜町3)
本町1丁目にあるかつおぶしの籠常(上)

本町一丁目、東海道が直角に折れる交差点に建つ旧山田呉服店。(左)
道幅の広い国道1号線に面する済生堂薬局小西本店。
国道1号線に面する看板建築。

本町1丁目にあるうなぎ屋柏又。コースを頼むと、メインの鰻が出てくる前にお腹がいっぱいになる。(上)


登録有形文化財になっている料亭だるま(左)
小田原駅近くの和菓子正栄堂本店。
参考資料 リンク
小田原市

参考文献