日向岡 湘南の平野を一望する現代の急斜面集落

神奈川県
平塚市
日向岡1,2,3



交通

JR東海道本線
平塚市駅下車
バス


国道1号線



日向岡1,2,3
東海道新幹線のE席座って西に向かう。相模川を渡ってしばらくすると右側に斜面上に同一デザインの戸建住宅がカラフルに建ち並ぶ集落が見えてくる。新幹線を利用することが多い人であれば、おそらく記憶にあるのではないか。それほど印象深い住宅地の景観である。
地山の上に計画された日向岡の住宅地は、最大で67M、20階建てのマンションに匹敵する住宅間の高低差である。昭和54年から造成が始まり、昭和60年から分譲が始まった。斜面集落の角度は、密集した漁村や山岳集落といい勝負で、下の家の屋根の位置より上の家の1階が高い状態。眺望と日当たりは抜群の住宅地である。個々の家の形は殆ど同じで、車庫や玄関、三角の屋根形状、すべて同じである。唯一アイデンティティを表現できるのは「色」しかない。
ここまで統一された住宅地はありそうでなかなか無い。では、自然に形成されたが統一感のある集落はどうなっているのか。両者を同じ目で見て歩いてみると何が違って何が同じか見えてくる。また、これから個々の事情でどのように変化していくかも現象学的には興味深い。
下から2段目と3段目の間の通り。右の家(2段目)の屋根の高さより、左の家(3段目)の1階の方が高い。すべての住戸が眺望と日当たりを享受できるのが急斜面住宅のメリット。問題は、左の家では買い物カゴ担いで車庫から階段を2層分上ることぐらいである。
この町の主婦は、買い物へいくときは徒歩で、帰りはバスを利用する人が多いという。

左:2段目の家の玄関と車庫。色以外すべて同じ。
上:2段目の通りから3段目の通りに上る階段。結構強烈である。

1段目の町並み。車庫は擁壁内、門から入って1.5層分階段を上って玄関。2段目の家が眺めを確保するため、1段目の家に対して半敷地分ずれているところがわかる。

日向岡の戸建住宅街の北側に斜面上の集合住宅があった。戸建の住戸をくっ付けたらこうなる。これで斜面の角度を90度に起こすとマンションになる。
参考資料 リンク
斜面に暮らす
平塚市

参考文献