屋久
栗生
九州最高峰の山岳島 石垣と板壁の漁村集落

鹿児島県
屋久島町
栗生




交通






栗生


中間





2012.02.18
屋久島は薩南諸島北部にあるほぼ円形の島で、大部分を白亜紀層の貫いた花崗岩の山地が占める。中央部の宮之浦岳(1933m)は九州の最高峰、八重岳は高峰群の総称である。気候は亜熱帯海洋性の海岸部から積雪を見る内陸の山頂部まで変化に富んでいる。降水量が多く、低地で年間約4000mm、産地で10000mmに達する。標高1000m〜1500mは屋久杉の原生林(世界遺産、特別天然記念物)が覆い、樹齢1000年〜3000年の巨樹がある。ほとんどが国有林で良材を産出し、宮之浦、安房良港から出荷されている。森林地帯には野生のシカ・サルが生息、海岸沿いの狭い段々畑でサツマイモ・サトウキビ・ポンカンなどが栽培されている。

山がちの屋久島の集落は、すべて外周の海岸線にあり内陸にはない。市街と呼べるのは屋久杉の産出港でもある宮之浦と安房で、意外は農漁村集落である。島の西海岸南部に位置する栗生集落は、自然の良港で、江戸時代は港を管理する津口番所が置かれ、鰹の漁獲量も多かった。集落形態は独特で、港に注ぐ栗生川に平行の主要街路があり、それに直交する五筋の街路が栗生川に突き当り、それらの街路に民家が並んでいる。一見して古いと判断できる民家は少ないが、石垣と生垣、そして森林資源の豊富な島ならではの板壁の民家が集落景観を創っている。
栗生川に平行した主要街路。商店が点在する。 

森林資源の豊富な島らしく板壁の民家が多い。(左上)
栗生川沿いの景観。防波堤が連なる。かつてはここに舟がつけられていたのかもしれない。(左下)
島の花崗岩も豊富なため石垣石塀も特徴。(上)

石塀石垣と板壁の集落景観
石塀石垣と板壁の集落景観。

栗生の南隣にある中間集落も見どころである。(下)
 

中間集落(左上)と中間の巨大ガジュマル(上)

島東海岸にある安房。背後は八重岳。(左下)
参考資料 リンク
屋久島町

参考文献
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社