奄美大島の南部、瀬戸内町の南に横たわる大島海峡を挟んで奄美大島と向かい合っている山がちの島。総面積の88%が林野で占められており、耕地面積は1.6%に過ぎない。島内には大小30の集落がある。平家伝承の民俗芸能といわれる「諸鈍シバヤ」は国の重要無形民俗文化財。また、鎮西八郎為朝来島の伝説があり、西端の実久集落の入口にその子といわれる実久三次郎神社がある。大正期には天然の良港薩川湾が軍港となり、太平洋戦争末期には特攻水雷艇「震洋」の基地が置かれた。（「シマダス」より）
加計呂麻島は全島がリアス式海岸地形になっているため、集落を巡るのが大変である。最も西にある実久集落は、古仁屋からの船のつく瀬相港からワインディングを17kmと行くのに苦労するが、珊瑚の石塀の続く景観は圧巻である。先端が赤く塗られた棒が、石塀に立てかけてあるのは、ハブ叩き棒。そんなものが用意されているとハブが石積みの間から出てくるのではと用心してしまうが、アスファルト舗装された最近の集落の道路にはまず出現しないという。