口永良部島 豊かな湯と時間を味わえる活火山島の郷

鹿児島県
屋久島町
口永良部島





交通
屋久島宮之浦港・種子島島間港よりフェリー




口永良部島





2019.04.13

屋久島の西方約12kmの海上に位置する火山島。島の南東部に昭和41年に大噴火した新岳が今なお水蒸気をあげている。丘陵は緑に覆われて自然の牧野となっている。切り立つ断崖の赤い岩肌は、自然の侵食によって奇岩怪石となり、それが黒潮の海面に映る景観は、湧き出す良質の温泉とあいまって絶景であり、緑の火山島ともいわれている。島内の各遺跡からは縄文式・弥生式の土器が出土している。応永15年(1408)には種子島氏の支配下にあり、津城城など種子島氏の出城が築かれていた。爆発など島内の火山活動は活発で、代表的な活動は天保12年(1841)以降昭和55年まで16回を数える。現在、シイタケ栽培やタケノコ加工、和牛の生産などがおもな産業だ。山海留学生も積極的に受け入れている。(「シマダス」参照)
このシマダスの記事が書かれた後、全島避難にまで及んだ大噴火が2015年にあった。島の方々は屋久島で7ヶ月避難生活をした後に帰還。現在はレベル3となって小さな噴火は頻発している。
集落は主にフェリーが発着する本村地区と近くの前田地区、島の東端にある湯向地区、その間にある田代地区の四ケ所である。本村が一番大きく、石垣を積んだ屋敷が残っており景観的にも素晴らしい。

口永良部島本村港(上)
船が着くと物資を受け渡すために島の人々が港に集まる。一日一度の光景だ。

船から眺めた口永良部島。新岳から噴煙があがる。(左上)

港での空撮。港へ土砂が流れ落ちている場所は、2015年の大噴火の際の火砕流の跡。(左下)

本村集落の町並み
2つの山の間の湾に面した平野部に集落が形成されている。
本村集落の町並み
湾の西端付近に石垣石塀を築いた屋敷が並んでいる。
本村集落の町並み
浜からの風が強いことを物語る高い石塀。
本村集落の町並み
舗装が美装されていたので、町並みとして意識されている。
本村集落の町並み
本村集落の町並み
本村集落の町並み
随所に水が湧き出ている。口永良部島は水が豊富だ。
本村集落の町並み

本村集落の町並み
本村(ほんそん)の共同浴場「本村温泉」
本村集落の町並み
トカラ列島の北半分でも見られたルーフィング屋根。もとは瓦葺だったのであろう。原色はコールタールの黒だが、太陽光を反射させるため白く塗られている。
湯向(ゆむげ)集落の町並み
島の東端の集落。本村からの道はかなり険しく、クルマで30~40分はかかる。

湯向(ゆむげ)集落の町並み
湯向温泉(上)

寝待(ねまち)集落の町並み
寝待は湯治のための湯小屋がならる。2018年の大雨で大きな被害を受けた。現在温泉は電気が来ていない。

田代集落の民宿くちのえらぶ
すべて廃材を利用して建てた自作の建物というから凄い。
参考資料 リンク
屋久島町

参考文献