美唄 三井と三菱が競った石狩炭田の主力炭鉱

北海道
美唄市
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交通






美唄





2009.04.26
美唄炭鉱は、美唄市東部、石狩炭田北部の空知炭田に属する炭鉱で、三井鉱山(株)と三菱鉱業(株)によって開発された。三井美唄炭鉱は、美唄川沿いに遡った場所で1918年に採掘開始され専用鉄道を敷設して石炭輸送を行っていた。規模は大きかったものの、三菱美唄炭鉱と比べて採炭量は劣り、1963年に閉山を余儀なくされた。旧炭鉱鉄道の沿線には旧駅舎(東明駅)や映画館だった建物、炭鉱集落など遺構が見られる。2008年に石油・輸入石炭の価格が高騰したため、国内産石炭の競争力が向上し新たに露天掘りの鉱区を開発するという。実際訪れて石炭の採掘が再開されていた。かつてのようには戻らないが、炭鉱町の復建を望みたい。また、廃校を活用したアートスペース「アレテピアッツァ美唄」は地元出身で世界的に有名な彫刻家安田侃氏の作品が常設されている素晴らしい空間。観光と産業の両立した町づくりを期待したい。
一方、三菱美唄炭鉱は、1913年飯田炭鉱として開発が進められたが、1915年に三菱が買収して三菱美唄炭鉱となる。その後、三菱鉱業美唄鉄道線を開通させて生産量を増し、大夕張と並ぶ三菱の主力鉱山として名を馳せた。最盛期の1944年には年間180万トンもの生産量を誇ったが、1973年に閉山した。炭鉱入口には古い事務所建物が残っているほか、門前には商店が集まった町並みが見られる。

三井美唄炭鉱鉄道の旧東明駅舎が残されていた。蒸気機関車も展示されている。(左上)

かつて三井美唄炭鉱で働く人々でにぎわったと思われる映画館跡。昭和30年代後半に建設されたという。なかなかいいデザインではないか。(上、左)
アルテピアッツァ美唄
廃校になった小学校の校庭や体育館を活用した野外ミュージアム。作品は世界的に有名な彫刻家安田侃氏の作品が常設されている。
アルテピアッツァ美唄
三井美唄炭鉱第二坑の原炭ポケット(左)

三井美唄炭鉱第二坑前の商店街(下)

三菱美唄炭鉱前の門前町(左上)

炭鉱事務所が残されていた(左)

参考資料 リンク
美唄市

参考文献