愛宕 軍港呉で急速に開発された斜面上の住宅地

広島県
呉市
愛宕




交通

JR呉線呉駅下車徒歩





愛宕



2012.04.14
呉の港は水深が深く水面も広く周囲を山に囲まれた天然の良港である。1890年(明治23年)に海軍鎮守府が置かれて以来、第二次世界大戦が終わるまで、呉は軍港のある町として急速に発展した。戦後は、旧軍施設を利用した重工業都市へと転換し今日に至っている。この町の人口増加は急速なもので、昭和18年には人口40万人に達したといわれる。当時、平坦部は軍施設にあてられていたため、新たに移住してきた海軍関係者や職工らの新住民は、外周の急傾斜地に居住地を求めた。
超急斜面で知られる市の西部にある両城地区の隣の谷にあたるのが愛宕地区。計画的に造成された両城とは違い、地形のままに開発された密集漁村のような趣である。このような町は、平地のない土地で急速に宅地化された場合に現象化すると思われ、海岸地形の場合により面白くなる。
また、呉は軍港という立場から当然ながら戦災を受けている。しかし、愛宕地区は両城地区や膝元の三条通り商店街の一部とともに、呉の中でも奇跡的に被災していないエリアである。
愛宕町の入り口にある三条通り商店街。看板建築が並ぶ中に明らかに戦前と思われる町家が残っている一角がある。
三条通り商店街

密集住宅街の中に小さな丘があり「鯛の宮」という神社がある。斜面に木造3階建ての建物が並んでいた(上)

愛宕の町並み(左上、左)
愛宕の町並み
向こうに見える丘の稜線までが愛宕。稜線のさらに向こう側が両城地区だ。
急な階段
擁壁の石垣
配水管が並ぶ

西側から北側の丘を見る(下)
稜線の向こうは両城。
 

南側の斜面を登る道(上、左上)
南側斜面の下にある家。(左)

参考資料 リンク
呉市

参考文献