高山 町人により守られてきた飛騨匠の町並み

岐阜県
高山市
三町(一之町・二之町・三之町)
大新町
本町
寺町(愛宕町ほか)





交通

JR高山本線高山駅下車徒歩





三町


大新町


本町


寺町



2008.12.23
高山の市街地は高山盆地の東部に旧飛騨国の中心地として発達した。古くは国府・国分寺があった場所で、城下町を母体に近世幕府直轄の天領陣屋町として整備された。その後は町人が活躍し繁栄をもたらした。古い町並みは宮川の東側南部の三町(一之町、二之町、三之町)と北部の大新町に見られ集中しているが(いずれも国重伝建地区)、西側の本町も古くからの高山の町で近代建築洋風建築が見られる。また、三町の東には城下町時代からの寺町が配されている。
高山の町並みの見どころは幕末から明治期にかけて建てられた「ひだたくみ」による質の高い町家群である。保存修復整備が進んでいるのでどこまでがオリジナルかはわかりにくいが、明らかに匠のデザイン力と技術力に見る者は圧倒される。天保3年の大火で三町のほとんどが焼けその後復興したことも町の様式統一の要因のひとつであろう。
上三之町の町並み
重伝建地区に最初に指定された。この誰もいない写真を撮影するには朝八時前に行くべし。
軒高さ、軸組み、格子などのプロポーションやディテール、黒と肘木小口の白と簾の茶のコントラスト、などのなんと美しいことか。「ひだたくみ」のデザインセンスと技量が光る町並み。

屋根は軒高がそろっているが、その奥には天窓がついている。家によっては三階部をセットバックして増築している。(左上)

高山祭の山車倉(上)

上二之町の長瀬旅館(左)
本町宮川沿いの町並み
朝市

大新町の豪商(日下部家・吉島家)の並ぶ町並み。(左上)

日下部民芸館内部(上)
小屋組を眺めているとうっとりしてしまう。

吉島家住宅(左)
大新町2丁目越中街道沿いの町並み。都市計画によって道路拡幅計画があったが、それを変更して守られた町並み。計画線によってセットバックして建て替えた家は今度は前に出さなければならない。文化財行政と都市計画行政はいろんな町で矛盾している。(上)

本町の近代洋風建築(登録文化財)(左)
参考資料 リンク
高山市

参考文献
『図説 日本の町並み5 中部編』 太田博太郎他 第一法規
『歴史の町並み 関東・中部・北陸編』 保存修景計画研究会 NHKブックス
『歴史遺産 日本の町並み108選を歩く』 吉田桂二 講談社
『日本の美術287 民家と町並 関東・中部』 清水擴 至文堂
『民家巡礼 西日本編』 溝口歌子・小林昌人 相模書房
『日本の町並みV 関東・甲信越・東北・北海道』 西村幸夫監修 平凡社