吉井 「居蔵屋」と呼ばれる土蔵造りが連なる町並み

福岡県
吉井町
吉井
若宮



交通

JR久大本線筑後吉井駅下車

国道210号線




吉井




2004.01.01
豊後街道の中道往還の宿駅であった吉井は、木蝋、酒、醤油などの生産、筑後川を利用した物資の集散地として、筑後川左岸の在郷中心都市として繁栄した。近世後期には「吉井銀」と呼ばれる金融資本が集積し、現在見るような立派な町並みが形成された。
重要伝統的建造物群保存地区の町並みは、「蔵しっくい通り」と呼ばれる国道210号線の上町、中町、下町、天神町と、上町からT字に交差し北へ伸びる新町、橋口町からなる。国道がバイパス化せず街中で拡幅されたにもかかわらず、国道210号線の南側にはかつての姿がほぼ保持された。新町・橋口町は拡幅はされなかったためほぼかつての姿をとどめており、筑後地方特有の妻入瓦葺入母屋造で両庇付き、白漆喰で壁から軒にかけて塗り籠めている町家が軒を触れ合うように建ち並んでいる。吉井では、江戸期には茅葺屋根が主流であったが、明治2年の蛭子町大火をきっかけに重厚な「居蔵屋」が造られるようになったという。
本町北側の町並み
碓井家住宅(大正7年)。入母屋造り妻入りで鼠漆喰を主体とした土蔵造り。
上町南側の町並み
矢野家住宅(明治17年)
上町南側の町並み
新町西側の町並み
橋口町の町並み
橋口町の町家
旧松田家住宅(明治時代)。製蝋業で材を成した大地主の分家として銀行経営に携わって当主一家が移り住んだもの。
新町の町家
新町の町家
なまこ壁の漆喰には半円断面のものと三角形断面のもの両方が見られる。修復しているのでなんともいえないが、2種類ともあったのであろうか。
参考資料 リンク
吉井町

参考文献
『図説 日本の町並み12 南九州・沖縄編』 太田博太郎他 第一法規
『歴史遺産 日本の町並み108選を歩く』 吉田桂二 講談社
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社