草野 旧日田街道山辺道の宿駅から発達した在郷町

福岡県
久留米市




交通

JR久大本線筑前草野駅下車

県道151号線




草野





2004.01.01
旧日田街道山辺道は筑後平野の南、屏風のように立つ耳納山の山裾を久留米から日田に向けて通っている。草野はその街道の宿駅から発達した在郷町である。現在の幹線道はここより北の国道210号線のため、旧街道の草野集落は道幅も変わらず桝形も残されており、古い民家とともに旧街道の風情を感じることができる。
古い民家は、江戸後期から大正期にかけて建てられたもので、商家、造り酒屋、醤油屋など30棟ほど、、旧草野銀行や旧中野病院など洋風建築も見られる。また、草野地区からやや久留米方向(西方向)にある矢作地区は耳納山の緩やかな斜面に形成された古い住宅地で、武家屋敷町のように石垣や塀を巡らした屋敷町となっている。
須佐能袁神社
通称「祇園社」は文久8年に平家征伐の功労のあった竹井城主、草野永平が勧請したされ、代々城主の崇敬が厚く、草野氏が秀吉の九州征伐の折滅亡した後もこの町の氏神として崇められてきた。
草野の町並み
旧宿場町の東橋あたり。
草野の町並み
鹿毛家住宅
主屋、棟続きの蔵、米蔵、塩蔵、表門、井戸が残っており県の指定を受けている。当家は江戸時代から醤油醸造や蝋の製造のほか、質屋などを営んでおり、草野の中心的な商家であった。主屋は妻入り桟瓦葺きで、18世紀頃の建築と言われている。
草野の町並み
茅葺屋根の町家も残っていた(トタンカバーはしている)。
旧草野銀行(草野歴史資料館)
旧中野病院(山辺道文化館)
洋館を備える住宅
街道の一本山側の道には比較的大きな住宅地となっている。
矢作地区の住宅街(上、左)
武家屋敷町と思わせる石垣と塀の連なる町並み。
九州でよく見かける住宅様式
古い町を歩くと、その中でも比較的新しい在来工法の住宅で、幾重にも軒や屋根を重ねる形態の住宅を良く見かける。
参考資料 リンク
久留米市

参考文献
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社