秋月 小盆地に城下町の要素すべてを残すまち

福岡県
甘木市
下秋月



交通

甘木鉄道甘木駅、JR甘木線甘木駅下車

国道332号線




下秋月





2003.12.27
秋月街道沿いの町人町
 
筑後川の平野部から北の山間に入った小さな盆地に秋月のまちはある。中世は戦国大名秋月氏の城下町で、盆地東南の台地先端に小さな城を構えその下に武家屋敷を配置した。武家屋敷町の北西、野鳥川の北岸を走る秋月街道(長崎街道の脇街道)に沿って町人町が形成された。
城下町の入口には文政7年(1818年)に築造された眼鏡橋があり、渡ると鍵形があって町人町という構造である(鍵形は残っていない)。アイストップの山に向かって一直線に上る街道に沿って、眼鏡橋から札の辻を越えた辺りまで町人町の古い町並みが見られる。町並みは北九州らしい妻入町家が並ぶもので、改造されているものが多いが結構古い建物が多いという。立派な屋敷は、共通して背後の川から水を引き込んで池庭をつくっている。
町人町の奥(駐車場近く)から南東方向へ伸びる桜並木があり、これが城へ向かう大手通り{杉の馬場」で、この通りに面して古処学園や旧藩校の稽古場跡の秋月郷土館などが並ぶ。通りの先には石垣を積み上げた秋月城址となり、秋月中学校の敷地となっている。杉の馬場の南西側は武家屋敷街で、土塀をめぐらした屋敷が見られる。屋敷地の中には水田化した場所も多く、機織の音に導かれて行くと草木染の工房がある。
野鳥川と眼鏡橋
眼鏡橋は文政7年(1818年)築造で秋月城下の入り口。野鳥川は、水車や用水に分流できるよう川底に石を敷き詰めて水流がコントロールされている。
秋月街道沿いの町人町。妻入町家が多く並ぶ。
城の北西に広がる武家屋敷町を南西から城方向を見る。
杉の馬場から武家屋敷町方向を見る。屋敷地が水田化している場所も多い。
杉の馬場に面する秋月郷土館(旧藩校の稽古場跡)。
杉の馬場を歩いていたら珍しい自動販売機があった。
朝取り卵の自動販売機!。
参考資料 リンク
甘木市
秋月街道

参考文献
『図説 日本の町並み11 北九州編』 太田博太郎他 第一法規
『歴史の町並み 中国・四国・九州・沖縄編』 保存修景計画研究会 NHKブックス
『日本の美術290 民家と町並 九州・沖縄』 澤村仁 至文堂
『歴史遺産 日本の町並み108選を歩く』 吉田桂二 講談社
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社