鯖江 門前町から城下町として発達した越前の町並み

福井県
鯖江市
本町
旭町
柳町



交通

JR北陸本線鯖江駅下車




鯖江




2005.10.09
鯖江には越前門徒の本山誠照寺、真宗山本派の本山證誠寺があって、仏教に縁の深い町である。当初は誠照寺の門前町として成立し、享保5年(1720年)問部氏の城下となってから市街地が建設された。
町が誠照寺の門前町として成立したという名残であろうか、誠照寺の前で二本の街道が交差している。一方は南北に走る旧北陸街道、もう一方は門前から東の證誠寺に向かい今立へ通じる街道である。町はこの二本の街道を座標軸として形成されている。旧北陸街道の誠照寺南側は中心市街のため道路拡幅され現代の町並みに変わっていたが、北側は最近まで拡幅されていなかった。しかし、訪れた2005年はその拡幅工事中で、重要な町家を残しながら工事が進んでいた。通りの西側に点々と古い町家が残っている程度である。さらに北へ進むとまだ拡幅工事がされていない町が短いが残っている。一方、誠照寺から東へ向かう街道にも古い町家が数軒残っている。JR北陸本線を渡るところにある町家は、越前らしい軒の深い上り梁と本卯建を上げた立派なものである。何れの旧街道も今や連続した町並みが失われているのが残念である。また、旧北陸街道の東側の旭町界隈にも伝統的な町家が点在している。中には擬洋風建築もあり、見つける楽しさのある町である。
誠照寺の北側の旧北陸街道沿いの町並み。道路拡幅工事が進められているが、西側に古い町家が残っている。

通りの西側に重要な古い町家があったのであろうか、道路中心から均等に拡幅されず、東へのみ拡幅されている。
旧北陸街道をさらに北へ進むとまだ拡幅されていない町並みが残っていた。(左上、左)
旧北陸街道東側の旭町界隈の町家。(左)

1階が格子で軒屋根の付け根に瓦の装飾が施されている。2階は漆喰が塗られており袖卯建が付く。(左上、左下、下)
旭町界隈の町家。1階の軒屋根が銅板葺きで端部が反り上るのは越前の町家の特徴。(上)

恵美写真館(洋館・表門 国登録)
明治38年に建てられた擬洋風建築。(上、左上)

旭町1丁目の町並み。(左)
旭町1丁目の町並み。
誠照寺から東へ向かう街道がJRを渡るところにある大きな町家。
上り梁、本卯建の立派な建物である。
参考資料 リンク
鯖江市


参考文献