大下島 入母屋瓦屋根の家並みが続く関前の島

愛媛県
今治市
関前
大下





交通
岡村島関前港・大三島宗方港・今治港より旅客船





大下島





2019.12.28

      
関前諸島の東端に位置し、西は小大下島、東は越智諸島の大三島と接している。全島花崗岩におおわれ、中央部のわずかな平地に家屋が密集する。主産業は農業で柑橘類を出荷する。浄土真宗のため殺生を嫌い、以前から漁業はしていない。旧暦の1月11日には、早津佐神社境内で弓祈祷神事が催される。島名は、早津佐神社の祭神・大気都比売命(おおげつひめのみこと)に因むという。急流の関前灘を控え、また来島海峡の西の入口にあたることから、明治27年に大下灯台が建設された。来島海峡付近の灯台としては歴史が古く、ファンにとっては興味ある灯台のひとつだ。(「シマダス」参照)
瀬戸内海でも鹿間図の多いこの地域は、広島県・愛媛県・山口県の県境が複雑である。大下島は、隣の大三島とともに愛媛県に属しており、同じ関前諸島の岡村島の西にある大崎下島は広島県である。大下島の集落は農村であるが、通りに面して建物を並べた町並みを形成しており、入母屋造りの瓦屋根が多く統一感のある集落となっている。また、花崗岩の島であり、石垣に使う石材は十分にあることから、斜面地にはしっかりした石垣が見られる。
旅客船「とびしま」は、今治港・大三島宗方港から大下島・小大下島・岡村島関前港を行き来している。

大下島の集落は、島の西岸中央のわずかな平地に形成されている。

大下島の町並み
柑橘栽培が主産業であり、浄土真宗のため殺生を嫌い漁業は盛んではない。
波止場近くの早津佐神社(左上)。その前から南東へ向かって真っすぐ通りがのびている(左下)。
大下島の町並み
入母屋瓦葺の主屋と手前に庭を挟んで切妻瓦屋根の付属屋がある。その屋敷構えの家々が並んでいる。
大下島の町並み
大下島の町並み
山際の集落。島全体が花崗岩で覆われているため採石には苦労しない。立派な石垣が築かれている。
大下島の町並み
大下島の町並み
大下島の町並み
平地を奥へ進んだあたりの町並み。その先は蜜柑畑が広がっている。

大下島の町並み
波止場より北側の斜面上集落。石垣がさらに高く築かれていた。
参考資料 リンク
今治市

参考文献
「シマダス」日本離島センター