小大下島 かつては石灰岩採石の島 今ではミカン栽培の島

愛媛県
今治市
関前
小大下





交通
岡村島関前港・大三島宗方港・今治港より旅客船





小大下島





2019.12.28

      
関前諸島の中央に位置し、西は岡村島、東は大下島と接する。明治初期に本格的な石灰岩採掘が始まるまでは無人島で、岡村島と大下島の入会地だった。現在でも島の山林の西半分は岡村分、東半分は大下分となっている。島中央にある凹部の沼は採掘の跡地である。第一次世界大戦を契機に、日本セメント、アサノセメント、住友鉱山など大手企業の鉱業所が立地し、昭和30年頃まではたいへんな活況を呈していた。同年の国勢調査で人口665人を数えている。その後、採掘可能量の減少とともに鉱業所も閉鎖された。山神社は鉱山の安全と繁栄を祈願して建てられたもので、毎年6月3日前後に祭りが催される。土壌がミカン栽培に適しており、小規模ながら柑橘類が栽培されている。(「シマダス」参照)
島の西側中央にある集落は、港に面する平らな土地を埋め尽くすように家々が建ち並んでおり、鉱山町としての繁栄を港周辺の商店やところどころでみられる大きな屋敷構えに感じることができる。また、中央から東海岸にかけては採掘場の痕跡が見られる。
小大下島は、大下島・岡村島とともに関前諸島に属し、旅客船も3つの島と大三島宗方港・今治港とを往来している。
小大下島の町並み
明治初期まで無人島で、東は大下島、西は岡村島の入会地だった。
明治初期に人が入り石灰岩の採掘が始まった。
小大下島の町並み
鉱山の町として、昭和30年前後には人口が600人を超えていたという。集落は農村ではあるものの、店の跡や大きな屋敷もあり、鉱山町として栄えた面影を残している。
小大下島の町並み
小大下島の町並み
小大下島の町並み
小大下島の町並み

小大下島の町並み
西海岸の集落から丘を越えて東海岸へ道が通じている。その途中は蜜柑畑が広がっており、農家の方に採れたてのミカンをごちそうになった(左上、上)

そして途中に岩が削られ水のたまった採掘場跡があった(左下)。
小大下島の町並み
東海岸に面してあった大きな屋敷。石灰岩採石を営んでいた企業の建物だったという。
小大下島の町並み
小大下島の町並み
東海岸の採石場跡。
小大下島の町並み
東海岸の採石場跡。この島には最盛期は複数の企業が入ってきており、あちこちに採掘場の跡が見られる。
参考資料 リンク
今治市

参考文献
「シマダス」日本離島センター