妙典 古い戸建住宅が並ぶ旧成田街道の街路村集落

千葉県
市川市
妙典1,3



交通

営団地下鉄東西線妙典駅下車

県道市川浦安線




妙典




2003.12.21

旧成田街道妙典の町並み
 

東京都と千葉県の県境を流れる江戸川。もとは利根川の本流であったが1654年に利根川東流の完成時に関宿から分流となった。近世は利根水運で栄え、野田の利根運河開通後は明治末期まで内陸航路として繁栄し、沿岸に河岸集落を発展させた。市川妙典は、その河岸集落のひとつである本行徳に隣接する成田街道の街路村である。しかし、江戸川放水路が完成した後は成田街道は妙典の北東で分断されてしまい、現在の妙典は通過交通の無い静かな住宅地となっている。
2000年に完成したばかりの新駅である地下鉄東西線(といってもこのあたりは高架)妙典駅を降り旧江戸川の方に向かうと小さなT字路の角に古い出桁造りの町家(中島米店)を見つけることができる。ここから右手に一直線に伸びているのが旧成田街道の妙典の町並みである。かつての豊かな農村の民家は、街路村の形態をとりながらゆとりを持って並んでいる。茅葺民家は無く、戦前戦後と思われる立派な住宅が建ち並んでいる。立派と書いたのはその建物のつくりからくる印象で、伝統的な様式に基づいた重厚な家並みだ。ところどころには東京近郊の街道の集落らしい出桁造りの町家が建っており、店舗としても現役である。背後に高いマンションが無く、一軒家の木造家屋と庭の豊かな緑が連続する町並みは、冬の青空とともにとても気持ちの良い空間であった。新駅開業による利便性向上に伴って、これからマンションやアパートへの建て替えが始まるのではないだろうか。この豊かな環境をいつまでも守っていってほしい。

旧成田街道の町並み。住宅が主体だがところどころに商店がみられる、東京近郊住宅地の原型みたいな場所。
このような伝統的な様式の住宅が建ち並ぶ。
屋根や小庇の軒下の細やかな意匠が見せ場。船橋や浦安の住宅地でも同様の形態を見た。
寄棟平屋建ての民家。
中島米店
この角で成田街道は折れて行徳宿に向かう。
徳願寺近くの成田街道沿いの町家。この先から行徳宿となる。
参考資料 リンク
市川市
行徳・妙典を歩く

参考文献