木更津 高度成長期200人の芸者が居た上総の繁華地

千葉県
木更津市
富士見1,2
新田1,2
中央2,3
新宿



交通

JR内房線木更津駅下車徒歩




富士見
新田



中央



新宿




2008.01.05
木更津は、房総半島西海岸、小櫃川の三角州に立地する港町から発達した商業都市。市街は中世より発達していたが、近世は江戸との間に木更津船が通い、港を控えた海陸交通の要衝として栄えた。木更津駅の西側一帯が旧市街で、港から内陸に向かう通りを軸にいくつもの商店街がある。
駅前大通りの一本南側の「みまち通り」を港に向かって歩いて行くと、最初は物販系の店が多いが、八剱八幡神社を過ぎると飲食店街に変わる。港へ向かう通りの両側にはややさびれながらもバーやスナックのネオン看板が目についてくる。その町中に「木更津会館」という検番所の建物があるからこのあたりは花街である。木更津に船の往来を通じて江戸から流入した芸者文化は、大正期には「木更津甚句」を全国に知らしめ、原敬の愛人ともなった名妓「若福」らが輩出した。戦後の高度経済成長期、芸者は200人を超えたという。
駅前大通りから北側の町に目を転じるとかつての海岸線に並行した旧街道には魚屋さんの古い民家が軒を連ねている。その通りのある交差点に洋風の店舗が建っていて目立っているが、この交差点から東へ延びる通りも旧街道のようで、戦前・戦後の昭和レトロな店舗や映画館が町並みを形成している。このあたりが木更津の商業の中心だったのであろう。「全国遊郭案内」(昭和4年)によれば木更津新地廓は木更津駅の西北8丁と記載されているので、先に紹介した富士見町ではなく、このあたりにあったものと思われる。
富士見2丁目の遊里の中心にある検番所。(富士見2)
銅板とモルタルの戦前店舗
(富士見2)
検番所前はスナックやバーがひしめく横丁街。
(富士見2)
何気に路地の奥にスナックがある。
(富士見2)
矢那川富士見橋への通りはネオン街だが昼はカラスがとんでもなく多い。
(新田2)
木更津温泉の隣のセントラルボウル
(富士見2)
旧街道がクロスするところに建つ洋風の店舗。(上:中央2)

この通りがかつての海岸線から一本入った通りだったと思われる。魚屋が多い。(左:中央2)
洋風の医院建築。(中央1)

洋風の店舗から東へ延びる旧街道には戦前、戦後のレトロな町並みとなっている。(中央2)
映画館 富士館
(中央2)
港近くにある木更津東映(上)と隣の銭湯(左上)
このあたりも遊里で映画館の裏側にそれらしき横丁がある。(中央3)


新宿町の店蔵(左)
参考資料 リンク
木更津市

参考文献