急速に発展した住宅都市 大火復興の町並み

千葉県
柏市
柏1,2,3





交通
JR常磐線柏駅下車











2016.12.17


柏市街は水戸街道の宿場町から発展し、常磐線と東武野田線の交差点にあたる交通の要所として、戦後は東京近郊の住宅都市として急速に発展した。そして、駅前の商業集積エリアは、「千葉の渋谷」と呼ばれた。急速に市街化した様が渋谷に重なっていたからであろうか。
しかし、市政が始まった昭和30年(1955年)、未曽有の災害が柏の商店街を襲った。後に「柏の大火」とよばれる。当時の市役所(現在のイトーヨーカドー)裏手にあった工場から出火、折からの北西風にあおられ延焼が拡大し、本町通り(旧水戸街道沿い)一帯を焼き尽くした。一旦仮設建築が建ち始めたものの、昭和31年から駅前通りにおいて、防火建築帯お呼ばれるRC造の防火共同建築による商店街への建て替えが開始され、昭和32年に完成した。
現在の駅前通りには、当時の防火建築帯の一部が残っている。当初、2階建てだった建物はやがて3階建てへと増築されている。この手法は他の都市でも同様である。共同建築だからデザインも統一されたものであったが、その後の改修で縦割りに外装が変更されている。これも他の都市と同様の現象である。所有形態によるものであろうか。
また、現在駅前地域は高層マンションが数本建っており、その他のエリアでも再開発による区画整理の真っ最中で空き地が目立っている。一部に木造建築が残っており、そこからかつての駅前商業地(おそらく歓楽街)を想像できる。

柏駅前にはいくつものデパートが集まっていた。東口にはそごう、西口には高島屋など。そごうもやがて再開発の予定である。
駅前商店街の町並み
画像の建物は、昭和32年に完成した防火建築帯の建物。3階は後年増築と思われる
駅前商店街の町並み
駅前商店街の町並み
昭和32年に完成した防火建築帯の建物。3階は後年増築と思われる

駅前商店街の町並み(左上)
3階が増築対応しているのがわかる(左下)

二番街のアーケード街(上)
駅前通りの裏に残る銭湯
二番街のアーケード街に面して再開発されたタワーマンションの低層部外壁
柏のレリーフyが繰り返されていた。

駅前で進行している再開発
既成市街地の建物が除去されてイトーヨーカドーの裏側が丸見え(左上)
一部に残る既成市街地と再開発されたタワーマンション(上、左下)
駅前で進行している再開発エリアに残る既成市街地の建物
「純喫茶」とあるので、周りは不純な飲食店街=歓楽街だったと想像する。
旧水戸街道より東側の商業地
スナックが何軒かあったので、やはり怪しい。
参考資料 リンク
柏市

参考文献
柏の大火と商店街の復興(柏市役所サイト)