常滑 黒壁と赤煉瓦煙突の並ぶ焼きものの町

愛知県
常滑市



交通













2003.03.01
常滑は、日本六古窯のひとつに数えられる古くからのやきものの町。従来は土管・花瓶・土瓶・茶碗・人形などを焼いていたが、近年ではタイル・テラコッタ類の生産が産業主体となっている。タイル製造メーカーINAXの企業城下町でもある。また、江戸時代から明治前期にかけて、伊勢湾周辺の地域(尾張、伊勢、美濃、三河)と上方、江戸方面を結ぶ尾州廻船のひとつ常滑船の湊町でもある。尾州廻船の湊町は常滑、大野、多屋、北条、野間、内海、半田、亀崎など。現在、常滑沖合いに中部新空港が建設されており、かつての海運の湊町は近い未来に空の港町となる。
常滑のやきものは1000年の歴史をもち、日本最古とも言われている。常滑駅の南東にある小高い丘一帯を常滑焼の窯が覆っている。丘に上り迷路のような路地を歩くと黒い板壁の建物と赤レンガの煙突が点在する。建物のいくつかは主に陶器を陳列販売しているお店もある。庸壁や塀、屋根の棟部分、路地のペーブメントに焼き物が使われており、歩く者の目を楽しませてくれる。丘陵地のため視覚的な変化も豊富で、路地の正面に煙突が見えたり、ぱっと開けて煙突と家並みが見渡せたり、散策コースから外れて道に迷ったりと、ロールプレイングゲームのようで面白い町である。
かつての廻船問屋の居宅「滝田家住宅」が保存復原されており、廻船港時代の常滑も垣間見られる。また、建築材料としての焼き物「タイル、テラコッタ」の大手メーカーINAXのお膝元でもあり、町のあちこちに工場が点在している。奥条のINAX東工場前には「窯のある広場資料館」「世界のタイル博物館」がある。市内は、古窯の集中する丘を巡る「やきもの散歩道Aコース」とさらに足をのばして巡る「Bコース」があり、案内があって歩きやすい。たまに案内が不充分で道に迷うこともあるが、それもまた楽しいと感じる集落である。

黒板壁の工場と茶色の焼き物がまちの色である。

レンガ煙突は高いのがあれば低いのもあり、建物との位置関係も様々で、あまりルールが無いようだ。(左上、左)



渡り廊下が工場を結ぶ。ロールプレイングゲームの世界を歩いているよう。(上)
丘の上から煙突群を見る

廻船問屋「滝田家」の居宅。坂道は土管を埋めている。やきものをいろんな使い方をし、まち全体をランドスケープデザインしている。
参考資料 リンク
常滑市のホームページ

世界のタイル博物館

市民のつくる常滑ホームページ

参考文献